オンライン診療のバイトをめぐる環境としては、コロナ禍を契機に大きく変わったと思います。緊急事態宣言が出された真っ只中、その頃に私も注目をし始めたわけですが、自宅でのオンライン診療バイト求人が募集をし始めるようになっていました。
ですがその当時は、受診控えによる「対面診療が急激に減った」ことへの補填としてオンライン診療を始めるクリニックがあったに過ぎず、今のような様相とはやや異なっていたように思います。
時限的、そしてお試し的に始めるという意図があったようで、「期間限定(延長する可能性あり)」という言葉が求人票に書かれていたり、どれぐらいの利益が見込めるか心配したのか、時給もかなり低めに設定されていました。
現在のオンライン診療求人について
黎明期に比べて、求人数もまだまだ希望者に比べたら少ない状況ですが、格段に増加していると思います。少なくとも、求人紹介を行う会社のサイトには、ほぼ常時オンライン診療バイトの求人が掲載されている状態です。
現在の求人状況で言いますと、IT企業が運営する自由診療(AGA、ピル処方)のオンライン診療バイト、そしてクリニックや病院が参入した保険診療のオンライン診療バイトに大きく二分されます。
前者の場合、雇入れ数も比較的多く、これからオンライン診療バイトを始めようとするドクターにも間口は広めです。さらに、一度オンライン診療バイトを経験していれば、より雇入れしてもらいやすいという傾向にあります。
オンライン診療バイトの今後
オンライン診療バイトの今後はどうなるのかと言いますと、これは「需要・供給」の両方とも変わってくると予想されます。
まずドクターの「需要」についてですが、現在でも十分人気ですが、ますますその人気は高まってくると考えられます。
その理由の一つとして、2024年開始となる「医師の働き方改革」があります。単純に常勤先の残業代が減って「(常勤先に自己申告せず)バイトを」と考えるドクターが増えることや、さらに、ややグレーな部分ですが、オンライン診療バイトの実態・実働時間が「常勤先に把握されにくい」ことで、せっせとバイトに精を出しやすいことから、オンライン診療バイトはさらに人気が高まることも予想されます。
一方、求人の「供給」側ですが、まだまだオンライン診療への参入を考えているクリニック・病院もあることから、より患者さんの側で利用が増えて、採算がとれるということが分かってくれば、開始するところも増えてくるのではないかと予想されます。
この点、オンライン診療が患者さん側にとって「あって当たり前」の状況になることが期待されるわけですが、将来的には特に医療の届きにくい地方を中心に、そうなっていくのではないかと思います。それに伴い、求人数も増えていくことが期待されるわけです。つまり、現在は過渡期になり、「需要 >> 供給」の状態となっていますが、いつかは供給が追いついてくるのではないかと思われます。
ですので、現在「応募しても断られるし、無理かな」と諦めてしまうのはもったいないと思っています。やはりエムスリーキャリアや、マイナビDOCTORを中心に求人を探し、好条件の求人にエントリーを続けるという姿勢が必要になるのではと思っています。