私は本業として産業医をしていて、バイトで自宅でのオンライン診療も行っています。そのバイトの面接の時、「産業医です」と申し上げたところ、好感触な印象でした。
その理由については後述させていただきますが、やはり自宅でのオンライン診療に向いている診療科か否かという違いがあったりします。その向き、不向きが生じてくるところの事情について、今回は書いてみたいと思います。
これから「自宅でのオンライン診療バイトをやってみたい」とお考えのドクターの参考になれば幸いです。
緊急呼び出しの有無について
まず、私が「産業医です」と言って面接を担当された方が好感触だった理由ですが、それは「緊急呼び出しがないから」に他なりません。
実際、私が応募したクリニックの求人票には、「緊急呼び出しなどが多い外科の先生などは採用が難しい場合がございます」といった一文がありました。
もちろん、「バイト中なので行けません」という方もおられるでしょうが、「緊急手術でどうしても…人手が足りなくて」ということで駆けつける必要がある場合もあるようです。「代診をできる方、いらっしゃいませんか?」とスタッフが募っていることも結構あったりします。
つまりは、バイト時間に緊急呼び出しが行われる可能性がある科ですと、「ちょっと難しいですね」と採用を見送られる可能性もあるわけです。逆を言えば、そうした緊急の呼び出しが少ない科であれば自宅でオンライン診療を行う上で支障はないと思われます。
オンライン診療と親和性の高い診療科
オンライン診療と親和性の高い診療科というのも実はあったりします。特に、専門医資格があると採用率や時給がグンッと上がる科で言えば、精神科、産婦人科(ピル処方)があったりします。
一例として、エムスリーキャリアに掲載されている(2023年3月現在)精神科の求人ですが、専門医(6時間勤務で6万円)/非専門医(4万円)では時給に開きがあります。
また、産婦人科のピル処方求人であれば、「産婦人科の専門医資格必須」といったものもあったりします。
求められるドクター像
対面とオンライン診療の大きな違いとしては、対面は「症状に対する診察や検査をしてもらいたい」といったニーズがあり、一方でオンライン診療は「この薬を処方してもらいたい」といったニーズがあるといったものがあります。
また、対面以上にオンライン診療ですと「塩対応だと、余計冷たく感じる」ということで、この点はクレームに繋がりかねないと運営側も考えているという部分があります。そのため、対面診療以上に、オンライン診療では「優しそうな印象で、接遇もしっかりしている」ドクターを求めているという違いもあるわけです。
こうした対面診療との違いを理解しているかどうかというのも、オンライン診療バイトを始める上では重要であると思われます。
以上です。
オンライン診療バイトを始める上で心配されている方もおられるかもしれませんが、よほど呼び出しが多い科でなければ問題ないでしょうし、「専門科不問」という求人も多いので、さほどハードルが高いと思わなくて大丈夫だと思います。
もしオンライン診療バイトを始めたい、興味があるということでしたら、エムスリーキャリアや、マイナビDOCTORに求人が掲載されていることもありますので、ご登録の上、ご希望の求人をお探しいただいてはいかがでしょうか。