オンライン診療に取り組むクリニック・病院が増えてきたのは、やはり2020年以降、新型コロナウイルスの感染拡大が最大の要因となると思います。時限的・特例的とはされていますが、電話診療・オンライン診療の対応範囲が緩和されたことがやはり大きかったのではないかと思われます。
以降、オンライン診療バイトの求人が大手求人サイトを中心に掲載されるようになっていきましたが、その時給はこの数年で大きく変わってきていると思います。
求人全てを保存して平均値を出して…といったことはしておりませんので、数値でお示しすることはできませんが、あくまで肌感覚というところで、自称「オンライン診療求人ウォッチャー」としての私見に基づく「時給の変遷」を、今回は書いてみたい思います。
オンライン診療バイト黎明期
時給は相場によるので一概にはなかなか言えませんが、コロナ禍での「オンライン診療バイト黎明期」については「時給3千~5千円」とかなり低い状況でした。
これは恐らく、「そもそも集客できるのか」という問題があり、低く設定せざるを得なかったというところがあります。やはりまだまだオンライン診療が一般には浸透しておらず、広告をバンバン打って集客するなんてところもなかったため、わざわざ「オンラインで受診する」ということも一般的ではなかったと思います。
この頃、募集を行っていたのは「対面診療で減ってしまった集客を、オンライン診療で補う」という目的のクリニックが多かったように思います。オンライン診療でバンバン儲けようということではないように思います。
そこからオンライン診療バイトが少しずつ根付いてきますと、「インセンティブ制」を導入するところも現れてきました。
インセンティブ制の導入
インセンティブ制とは、「一人診療するごとに時給にプラス千円」というもので、患者さんを診療すればするほど報酬が上がっていくというものです。
集客が安定していない時期には、こうした求人が多かった印象です。しかしながら、やはり「本当に患者さんそんなにくるの?時給低いし、そんなに儲からないんじゃないの?」と思って、二の足を踏むドクターもこの頃は多かったのではないかと思います。
本格始動を始めた2022年以降
まだコロナ禍が続く2022年には、AGA診療で「時給1万円」という求人がチラホラと出始めてきました。この当時、私もそうした求人を見かけ、「これはエントリーせねば」と思い、オンライン診療バイトを始めようと思ったというわけです。
この頃になるとSNS、Tik Tokやインスタグラム、YouTubeなどの広告を流す自由診療のクリニックが増えてきています。というのも、こうしたクリニックは「オンライン診療専業」のところで、IT企業が運営を行っているところであり、こうした集客はお手のものというわけです。
こうなってきますと、もはや一般の開業医が「ウチもオンライン診療、やってみようか」などといったノリで参入しても、特に新規顧客獲得をするという集客面で、太刀打ちできないという状況になっています。
2023年現在の時給は
2023年現在、AGA診療・ピル処方では時給1万円というのが相場となりつつあり、内科のオンライン診療ではそれをやや下回る(時給8千~9千円)求人が出てきているという状況です。精神科では、専門医の有無で時給に開きがあるものの、時給1万円以上の求人が多い印象です。
ただ、このあたりの時給は単純には比較できず、AGA診療やピル処方ではそれこそ「新患10分、再診5分」などというところも多く、わんこそば状態で次々に患者さんが待っているというなんてこともあります。その分、インセンティブによって、時給1万2千円が狙えるという求人もよくみかけます。
一方、内科診療ではやや時間にゆとりがあり、さほど時間に追い立てられるなんてこともなく、じっくり診療ができるように思います。それぞれ一長一短あり、自分に合ったオンライン診療バイトをお探しになる方がいいのではないでしょうか。
オンライン診療バイトの時給はこのような変遷があります。中には、「時給5千円」と、ちょっと相場感で言うと「ちょっと低いかな…」という求人もあったりしますが、オンライン診療に参入してくるクリニック・病院も増えてきている状況で言いますと、時給1万円前後で落ち着いてくるのではないかと予想されます。
なお、私が求人を探す上では、エムスリーキャリアや、マイナビDOCTORをよく利用しています。
もしオンライン診療バイトにご興味がありましたら、上記サイトでお調べいただいて、エントリーしてみてはいかがでしょうか。