オンライン診療に「向いていない疾患」とその対応について

オンライン診療は、コロナ禍を背景に時限的とはされていますが、「受診歴のない患者に対しても初診からオンライン診療が可能」とされ、大幅に要件は拡大されました。

しかしその一方で、「それって十分に診察・診療できるの?」といった疑問や、「オンライン診療による『誤診』などの問題が起きた時、その責任はどうするのか」といった指摘があるのもたしかです。

そこで今回は、「向いていない疾患」とその対応について書いてみたいと思います。

オンライン診療に「向いている疾患」「向いていない疾患」

まずはオンライン診療の特性上、問診・視診などについてはできると思いますが、その一方で触診・聴診などはしっかりと行えないという点が挙げられます。

そこで、オンライン診療に「向いている疾患」については、

・生活習慣病の継続治療

・軽度な感冒様症状、湿疹などの皮膚症状

などが挙げられのではないでしょうか。一方で、「向いていない疾患」としては、

・腹痛、胸痛、頭痛などの、オンライン診療では十分な鑑別が困難でなおかつ重篤な疾患の可能性がある疾患。

・呼吸器疾患、循環器疾患、腎疾患などの増悪の可能性があり、定期的な検査を要するような疾患。

・コロナ禍における「新型コロナウイルス感染症の可能性」がある患者の診察

などが挙げられますのではないでしょうか。こう考えますと、やはりオンライン診療はまだまだ診療可能な疾患も限られ、なおかつ安定している病状の方を対象としていると言えますね。

オンライン診療に「向いていない」疾患への対応

オンライン診療に「向いていない」あるいは、オンラインのみでの診療では懸念が残るということでしたら、無理せずに「対面診療を勧める」ということが重要だと思います。特に初診の場合、「無理せず、近くのクリニックなどでの対面診療を勧める」といったことを検討すべきです。

この点、バイト求人を出しているクリニック・病院でも「必要があれば採血可能な近隣のクリニックを紹介する」といった対応にしているところも多く、やはり想定していることだと思います。

また、「オンライン診療」と「対面診療を組み合わせる」ということも可能であると思われ、病状悪化が行われる場合や、定期的な検査を行う場合など以外であれば「オンライン診療で」といったこともできると思います。

以上です。
オンライン診療は患者さんにとっても、医療者側にもメリットのあることだと思いますので、「無理せず、可能な限り活用する」といった方針が重要ではないでしょうか。

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